自宅を社宅にするってどういうこと?
自宅を社宅として自分が住んでいることにすれば、税金が抑えられるらしいんだ!どういう理屈がわからないけど、別に自分が住むことには変わりないし、僕の家も社宅ってことにしようと思うんだ!
ちょっと待つニャ!
ただ自分の家が社宅だと主張したところで、節税にはならないニャ!
それに、自宅を社宅と定義するにはいくつかの注意が必要ニャ!
会社代表者の自宅を社宅とすることで、節税になると聞いたことがあるのではないでしょうか?
実際に、自宅を社宅とすることは可能です。具体的には、下記のようなパターンが考えられます。
- 会社所有の物件を自宅として賃貸する
- 会社名義で賃貸した物件を自宅として転貸(又貸し)する
でも、このように自宅を社宅として利用することで、本当に節税効果は見込めるのでしょうか?
社宅の費用を損金として計上できる
結論としては、代表者の自宅を社宅とすることで、節税を実現することができます。
理由は社宅にかかる関連費用を会社の損金として計上できる点にあります。
- 会社所有の物件を自宅として賃貸する場合
会社が取得した物件を自宅とする場合には、その物件の取得や管理にかかる費用を損金算入することが可能です。 - 会社名義で賃貸した物件を自宅として転貸(又貸し)する場合
会社が第三者から借りている物件を自宅とする場合には、会社が第三者へ支払う家賃相当額を損金算入することが可能です。
具体的には、下記のような項目を損金算入できます。
- 借入金利息:物件をローンで購入した場合、その利息相当部分です。(元本部分は損金に計上することはできません。)
- 不動産取得税:物件の取得にかかる税金です。
- 登記費用:不動産を取得する際にかかった、司法書士報酬や登録免許税などの費用です。
- 修繕費用:その不動産の修繕にかかる費用です。
- 固定資産税(都市計画税):不動産を保有していると毎年払わなければならない税金です。
そっか。そもそも自宅を社宅として利用するには、僕が大家さんに支払っている賃料を、会社に支払う必要があるんだね。
そういうことニャ。社宅にすることで、大家さんに支払う賃料は会社負担になるものの、自分自身が社宅を利用するためのお金を会社に支払う必要があるニャ。
自宅を社宅にする際の注意点
自宅を社宅とする場合には、いくつかの注意点があります。
これを見落とすと、節税のために社宅利用したものの、税務調査で追加徴収を受け、かえって多額の税金を支払う羽目になる恐れがあります。
- 社内規程を作成する必要がある
自宅を社宅とする場合には、あらかじめ社内規程に織り込むことが必要です。
規程にないままに社宅制度を採用した場合、税務調査の際に不利となり、損金算入が認められなくなる、もしくは代表者の給与とみなされる(下記2.参照)可能性があります - 代表者の給与とみなされないように注意する
上記で述べたように、①自宅を社内規定に織り込んでない場合、税務調査で代表者の給与としてみなされてしまう場合があります。その他にも、②代表者から会社が受け取る賃料が安すぎる、③豪華社宅(※)に該当すると判断された場合も同様に、賃料相当額が給与としてみなされ、課税されてしまう恐れがあります。
※床面積が240平方メートルを超えるもののうち、取得価額や支払賃貸料の額、内外装の状況などが豪華なもの、もしくは床面積が240平方メートル以下のもののうち、プールなど一般的な賃貸住宅に設置されていない設備や役員個人の嗜好を著しく反映した設備などを有するもの
つまり、自宅を社宅にしたい場合には、規定にちゃんと記載したうえで、妥当な賃料を会社に払う必要があるんだね。
そういうことだニャ!
さらに賃貸の場合には、大家さんが住所を法人登記することをNGとしている物件もあるから、注意が必要ニャ!