節税セレクト Vol.11 大企業だけじゃない!中小企業でもおすすめな投資系節税「従業員社宅」
お金の支出:あり
節税効果:◎
導入のしやすさ:△
従業員が沢山いる大きな企業で、社員寮を整備している会社をよく見るけど、あれも節税対策のひとつなのかな?でも社員寮って大きな会社が持ってるイメージ出す、僕たちみたいな中小企業ではなかなか難しそうだよね。
社員寮が節税につながることに気づくとは、なかなか目の付け所が鋭くなってきたニャ!その通りで、社員寮、つまり「従業員社宅」は有効な節税方法の1つだにゃ。でも、実は中小企業でも、導入すればその節税効果は大きいんだニャ。
目次
中小企業でも従業員社宅の検討を
大企業や外資系の会社が、高額なタワーマンション等を会社の社宅として従業員を住まわせているような話を聞いたことはないでしょうか?
あんな高価な部屋に従業員を住まわせるほど、うちは儲かってないよ、と自分の会社には関係ない話だと思っていませんか?
タワーマンションは無理でも、従業員に社宅を提供することは、中小企業にとっても大きな節税になるのです。
今回はこの「従業員社宅」による節税方法をご紹介します。
ちなみに、会社の社長さんが自宅を社宅とすることで実現する節税方法は、下記の記事を参考にしてみてください。
従業員社宅のメリット
従業員社宅の導入、つまり社宅を経費にすることで生じるメリットは多くあります。
今回はその中でもメインとなる2つのメリットを紹介します。
住宅手当がなくなり節税できる
この節税は簡単に言うと、従業員が今まで会社からもらった給料(住宅手当)で支払っていた家賃を、今度は会社が支払うことで節税しようというものです。
家賃の一部を会社側が負担することにより、従業員にとっては同じような立地条件・築年数・間取りの賃貸物件を借りるよりも家賃を安く抑えられます。
仮にその会社負担の家賃分を従業員の給料から減らしたとしても、メリットがあります。
なぜなら従業員からすれば家賃分は給料から減らされますが、その分所得税が安くなり、結果的には手元に残るお金が増えます。
つまり会社にとっても従業員さんにとっても嬉しい節税なんですね。
求人のアピールになる
社宅は福利厚生のひとつとして、会社のアピールポイントになります。
福利厚生が充実した会社ということで、企業イメージのアップにつなげることが可能です。
遠方に住んでいる人を採用しやすくなるため、人材不足の解消にもつながります。
社宅を用意する会社は従業員にとって満足度が高く、会社の付加価値を高める効果も期待できるでしょう。
社宅を経費にするための要件
社宅を会社の経費として計上するには3つの要件をクリアする必要があります。
これを理解しておかないと、税務否認され、かえって多くの税金を支払う羽目になりかねません。
ここでは具体的に、その3つの要件をご説明します。
従業員から一定額の家賃を徴収する
社宅の家賃を経費にするには、一定額の家賃を従業員から徴収する必要があります。
この要件を満たさないと、社宅の提供は従業員への給与とみなされ、課税対象となるため注意が必要です。
ここで一定額の家賃とは「賃貸料相当額」の50%以上のことを指します。
「賃貸料相当額」は、以下の計算式から算出します。
上記1〜3で算出した数字を合計したのが賃貸料相当額です。
この金額の50%以上を受領すれば、賃貸料相当額と従業員から受け取る家賃との差額は従業員に対する経済的利益の供与にはならず、給与とはなりません。
見ての通り、少し専門的な計算方法必要ですね。
実際に従業員社宅の利用を検討の場合は、税理士等の専門家を交えて導入を検討しましょう。
社宅の賃貸借契約は法人契約で締結する
次に2 点目ですが、「社宅は法人契約にしなければいけない」ということです。
これは形式上、法人が社宅を借りてそれを従業員に貸し付けているということにしなければいけないからです。
仮に会社契約になっていない賃貸マンションに住む従業員の家賃を補助するのであれば、この家賃補助の額を給料とみなされるため、所得税や住民税が課税されてしまいます。
大家さんへの家賃は会社名義で振り込む
最後に3 点目ですが、家賃の振込は会社名義で行わなければいけません。
理由は上記の2点目の要件と同じで、法人が社宅を借りてそれを従業員に貸し付けているということにしなければいけないからです。
従業員から従業員負担分を会社に払ってもらい、会社が大家さんへ家賃を支払うという2段階での支払いが必要となりますが、要件をクリアするためにも、このフローをしっかり構築しましょう。
社宅と住宅手当の違い
社宅と似たような福利厚生の制度として比較されるのが「住宅手当」です。
住宅手当は基本給とは別に一定の金額を支給するもので、家賃補助として家賃の支払いにあてられます。
一方、社宅は会社が従業員のために用意した住宅であり、かつ通常の家賃相場より安く入居できるものです。
したがって、社宅ならびに住居手当はいずれも福利厚生の一環です。
ただしここご重要なのですが、住宅手当は金銭で支給するため給与の扱いとなってしまいます。
つまり支給された側、つまり従業員の所得税や住民税の課税対象となり、税金が加算されます。
従業員にとっては給与の手取り額が減ってしまい、その上会社・従業員双方とも社会保険料の負担が大きくなってしまいます。
帳簿上の処理方法
従業員に社宅を貸し出す場合、前に紹介した計算式で算出した賃貸料相当額の50%以上の家賃を徴収するのであれば、従業員から徴収した家賃を家賃収入として仕訳し、差額を福利厚生費として処理します。
もし徴収額が50%に満たなければ給与として処理することになるため、課税対象となってしまいます。
どちらの場合も会社の経費になることに変わりはありませんが、社宅を無料で使用させる場合等は賃貸料相当額が全額給与として課税されるため、従業員は所得税の負担が大きくなります。
なるほど!従業員社宅が節税になる理由ってそういうことだったんだね。契約名義や支払方法の変更が必要で、他の節税に比べると少しハードルが高いかもだけど、税金を抑えるだけじゃなくて、従業員もハッピーになれる節税方法だし、ちょっと検討してみようかな!
そういうことだニャ。むしろ大企業だと大規模な変革が必要だけど、中小企業であれば柔軟に対応できるから、むしろ導入しやすい節税方法になるニャ。繰り返しになるけど、従業員負担分の計算方法も若干複雑だから、税理士さんへの相談をお勧めするニャ。
節税セレクト Vol.10 決算間近でもまだ間に追う!会社と従業員共に嬉しい投資系節税「決算賞与」
お金の支出:あり
節税効果:○
導入のしやすさ:◎
決算も近づいてきたし、いろいろと数字を整理してたんだけど、思った以上に今年は利益が大きく残っちゃってるみたいなんだ。嬉しいことなんだけど、その分税金が高くなりそうだなあ・・・もう決算直前だし、今からできる節税策って何かあるかなあ?
そういうことなら、決算賞与を考えてみてはどうかニャ?利益を減らすために単に経費を無駄遣いするより、会社にとっても従業員にとっても嬉しい節税方法だニャ。
目次
会社も従業員も嬉しい決算賞与による節税
今回ご紹介するのは、「決算賞与」を支給することで実現する節税方法です。
つまり決算の後に支給する臨時ボーナスのことですね。
この方法は、節税効果があるだけでなく、従業員のモチベーションアップを同時に達成できるため一石二鳥の節税方法となります。
決算の結果、思った以上に利益が出ていて、節税を考えなければいけないというのは、経営者にとって嬉しい悲鳴です。
でもそれは、もちろん社長さんの経営手腕によるものであることは言うまでもないですが、従業員一人一人の日々の頑張りによるものということを忘れてはいけません。
従業員への「1年間ありがとう」のねぎらいと、「今年もよろしく」の起爆剤として、決算賞与の支給を考えてみてはいかがでしょう。
決算賞与がなぜ節税に?
それではまず、決算賞与が節税になる仕組みをご説明します。
決算賞与は通常、その決算期の成績をもとに、会社の業績によって賞与支給額を決めるものです。
したがって、支払時期は通常、決算が終わった後、つまり翌期に支払われるため、本来翌期に計上するものとなります。
ですので、このままでは当期の節税にはつながりません。
しかし一定の手順を踏むことで、決算時に未払の賞与であっても、これを当期の費用として計上することができるのです。
賞与というだけあって、全従業員に支給すればその金額は決して小さくありません。
その支給金額を全額当期の費用として計上できれば、当期の税金をグッと抑えることが可能となります。
しかもその支給額は当期の(予想)利益をもとに算出するため、非常に合理的な節税方法と言えます。
決算賞与を当期の費用として計上する条件
繰り返しになりますが、決算賞与は決算時に未払いであっても、一定の要件を満たすことで当期の費用として計上できます。
具体的な要件は以下の通りです。
・決算日までに支給額を全従業員に通知
・通知した金額を、決算日翌日から1か月以内に全額支給
・通知した金額を当期の経費として計上(損金経理要件)
以上の要件を満たせれば、翌期に支払われる決算賞与を当期の費用として計上でき、利益を圧縮することができます。
賞与は従業員のモチベーションアップにもつながるので、決算賞与による節税はぜひ導入したいですね。
ちなみに、1つめの「全従業員に通知」する方法ですが、1人1人に通知するのは大変なので、全社員が見る掲示板や、メールの一斉送信などで「月給の○○か月分を支給」と通知する会社がほとんどです。
2つ目も重要な条件です。もし決算日翌日から1ヶ月以内に支給できなければ経費に入れられないので要注意です。
無計画な決算賞与は逆効果に
今回ご紹介した決算賞与による節税は、税金を減らす一方で、当然ながら賞与を払った分キャッシュはなくなりますので、資金繰りに与える影響は小さくありません。
そのバランスをよく考えて支給額を決定するようにしてください。
下記の記事で、『やってはいけない無計画な決算賞与』について詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
なるほど!決算賞与って方法があったのか!税金を抑えるだけじゃなくて、従業員もハッピーになれる節税方法だね。経費計上の条件も明確だし、導入しやすそうだね。
そういうことだニャ。ただし、一度大きな賞与を支給してしまえば、翌期に支給ができなかった場合、逆に従業員のモチベーションダウンにつながることもニャ!いつも言うように、中長期的な視点でその節税を実行すべきかは考えるべきだニャ。
節税セレクト Vol.9 旅行が節税になる!?福利厚生費の活用で実現する投資系節税「社員旅行」
お金の支出:あり
節税効果:○
導入のしやすさ:○
従業員から、社員旅行は開催しないんですか?って言われたんだけど、いまどき参加してくれる社員っているのかなあ。この前だって、若いメンバーを飲み会に誘ったのに、結局半分くらいしか来てくれなったからなぁ・・・
それはドンマイだニャ。日々の行いが人望につながるのニャ・・・でも、社員旅行はおすすめの節税方法の1つニャ!従業員同士の親睦を深められる上に、福利厚生費として全額損金算入できるという、会社にとって非常に大きなメリットがあるんだニャ!
目次
社員旅行でかかる経費は、福利厚生費として経費計上が可能
社員旅行を毎年実施している会社ってありますよね?
最近は飲み会1つでさえ若者から敬遠される世の中で、会社がお金を出してまで、社員旅行を実施するメリットって何だと思いますか?
最初に思い浮かぶのは、社員同士の親睦を深め、業務から離れリフレッシュしてもらうことで、仕事へのモチベーションをアップさせるため、という事かなと思います。
でも、会社のメリットはそれだけではないんです。
社員旅行でかかった費用は福利厚生費として会社の経費として計上でき、大きな節税効果を生み出すメリットがあるのです。
もちろん、福利厚生費として認められるためには、一定の条件をクリアしなければなりません。
今回はその条件について、詳しく説明していきます。
社員旅行が福利厚生費として認められる4つの条件
- 社員全員が対象
福利厚生費は、その性質上、皆が平等に受けることが出来る便益の享受を目的としていることから、特定の社員(例えば役員だけなど)のみを対象とするのではなく、雇用している全ての社員(アルバイト等を除く)を対象とする社員旅行でなければなりません。 - 参加者が全社員の50%以上であること
全社員を対象とする旅行のため、最低でも半分は参加しないと認められません。そのため、50%以上の社員の参加がないと『福利厚生費』として費用計上することができません。 - 旅行期間が4泊5日以内
税務上では、社員旅行の社会通念上相当の期間を最大で4泊5日と考えているようです。この期間内であれば、国内旅行でも海外旅行でも構いません。なお、海外旅行の場合には、移動時の時間は考慮せずに、現地滞在時間が4泊5日以内であればいいとされています。
-
社会通念上相当の金額の範囲内(約10~15万円)
金額の面でも、一般的な金額の範囲内でないと『福利厚生費』として認められていません。一般的な金額については特に明示されていませんが、過去の判例や国税庁の示している事例によると、社員1人あたりの会社負担として10万円程度、多くて15万円程度が上限と考えられています。
福利厚生費と認められないケース
上記の要件を全て満たした社員旅行でも、次に該当する場合には、福利厚生費ではなく給与や賞与とみなされ、源泉所得税の未徴収であったり、役員の場合には給与の損金不算入になったりと、かえって多くの税金を払う羽目になる可能性があります。
- 不参加社員へ現金支給した場合
不参加の社員に対して金銭を支給した場合には、不参加の社員のみならず、参加した社員に対してもその金銭分を支給したとみなされます。
そのため、参加した社員に対する社員旅行費用から金銭を支給したとみなされた金額を控除した金額しか『福利厚生費』として認めれられず、それ以外は『給与』とみなされ、課税対象となってしまいます。
- 旅行or金銭支給の選択式になっている場合
まれに、社員旅行を行う会社で、参加者が社員旅行にするか、旅行に行かない代わりに金銭をもらうか選択できる会社もあります。
社員旅行とは、そもそも社員同士の親睦を深めたりリフレッシュするためのものと考えられます。
そのため、選択式の社員旅行はそもそも目的から外れているため、『福利厚生費』には該当しません。
家族を旅行に同伴させたい場合
- 家族が従業員でない場合
従業員が社員旅行に行く際に、従業員でないその家族の旅費も会社で負担した場合は、従業員である本人の分も含めた家族全員分の旅費がその従業員の給与所得として課税されてしまうため注意が必要です。
どうしても家族を社員旅行に同行させたい場合については、家族分の旅費は従業員に実費で支払ってもらう必要があります。 - 家族に従業員がいる場合
家族が従業員である場合には、当然その家族については福利厚生として認められます。
ただし、社員ではない子供が旅行に同行する場合については、子供の旅費分は実費で支払う必要がありますので注意しましょう。 - 同族会社で会社に自分の家族しかいない場合
同族会社の場合、役員や社員を含め家族だけで構成されているケース(家族経営)が非常に多いです。
これについては、残念ながら経費化できないようになっています。
配偶者や子供が従業員として働いているにしても、家族だけの旅行である以上、「社員旅行=家族旅行」となってしまうからです。
実際に過去の判例でも会社側が敗訴しているようです。
税務調査のための対策
税務調査などで社員旅行について調査が入った際、領収書以外にも次のようなものを確認してくることがあります。
税務否認されないためにも、旅行に行く前から準備しておきましょう。
- 旅行の日程が確認できるもの
大手旅行会社などに委託した場合には送られてきますが、会社で独自にバス等を借りて個別に宿を手配した場合などは、旅行のしおりなどがあると良いでしょう。 - 全社員への通知
メールなど、社員旅行の案内に使用した媒体を保存しておきましょう。 - 参加者名簿
名簿は用意できなくとも、バスや新幹線の座席や宿の部屋割りなどは用意しましょう。 - 写真などの証拠
社員旅行では、少なくとも1枚くらいは全員の集合写真があるものです。現在はスマホにより日常茶飯事に写真が撮られているため、証拠を残すうえでも何枚かは撮っておきましょう。
なるほど!社員旅行って、従業員だけじゃなく、会社にとっても節税の恩恵を受けられちゃうんだね。でも、確かに私的な旅行との線引きが難しそうだから、その条件の理解や準備をしっかりしておくことが大切だね。
そういうことだニャ。社員旅行が福利厚生費として認められず、税務否認されるケースはよくあるんだニャ。福利厚生費として認められる条件などの判断に迷った時は、一度税理士に相談するのがベストニャ!
節税セレクト Vol.8 買うなら中古車がおすすめ!維持費も経費にできる投資系節税「社用車」
お金の支出:あり
節税効果:◎
導入のしやすさ:○
最近会社から車で得意先に行くことが増えてきて、このままレンタカーを利用するべきか、車を買っちゃおうか悩んでるんだ。せっかくだからちょっと格好いい車を買いたいんだけど、外車とか高級車だと、経費にできないんだよね?
そんなことはないニャ!車の利用頻度が高いなら、社用車として経費にするのは大正解だし、それが事業で使う目的である以上、経費で落とすことは可能だニャ。ただ、社用車を経費で落とすにはいくつかのポイントがあるから、それを説明するニャ!
目次
社用車の購入は効果的な節税対策
会社で車を利用することがあれば、それを社用車とすることで効果的な節税につながります。
社用車として購入した車の減価償却費が経費にできることは多く知られていますが、それだけでなく、社用車を購入にかかった費用やその維持にかかる費用など、全て経費として計上できます。
これは新車や中古車・リース契約など、その購入方法に関わらず経費計上は可能です。
高級車は経費で落とせない?
よく、外車や高級車は経費にできないんですよね?という質問を受けますが、大きな間違いです。
ベンツやアウディなど、高級車であってもそれが事業目的に利用していると明確にできれば、それは社用車として認められます。
「どんな車を持っているか」ではなく、「本当に会社のために使っているか」という点が経費計上の上で最重要なのです。
社用車を利用した節税方法
それでは、実際に社用車を利用した節税方法を具体的にご説明します。
車の本体価格を減価償却費で経費に
社用車の購入費は経費にすることができます。
この時、購入と同時に全額を経費計上できるのではなく、固定資産として計上したあと、期間に応じて減価償却を行うことで経費計上していきます。
減価償却とは、固定資産を耐用年数に基づいて、一定の期間に渡り、分割して費用化することなのです。
そしてその分割方法には「定率法」と「定額法」の2つがあります。
「定率法」は毎年同じ割合で減少するように計算する方法で、償却する額は初年度がもっとも高く、徐々に減少します。
「定率法」は毎年同じ金額で減少するように計算する方法で、償却する額は毎年変わらず同じ金額のままです。
基本的に、何も届出を出していなければ、減価償却費は定率法で計算されますが、税務署へ届出を出すなど所定の手続きを行うことで定額法の適用も可能です。
自分の会社に合わせた償却方法の選択がカギとなります。
車にかかる維持費を経費にする
経費として計上できるのは、社用車の購入費だけではありません。
社用車を使用する上での維持管理費も経費として計上可能です。
具体的には、以下のような費用を経費にできます。
・ガソリン代
・自動車税
・自動車保険料
・車検費用
・修理費用
・駐車場代 等
駐車場代は、毎月かかる費用で且つ、地域によっては金額も大きくなるため、これを経費計上できるのは大きいですよね。
なお、駐車違反やスピード違反などで発生した罰金に関しては経費計上できないので注意が必要です。
社用車を用いた節税でおさえるべきポイント
以上のように、社用車によってもたらされる節税効果は大きいことがお分かりいただけたかと思います。
ではこの節税方法を利用する上で注意すべき点が2つほどありますので、それぞれについて、詳しく説明します。
社用車は法人名義にして税務否認されるリスクを軽減
会社の経費として計上する以上、社用車は法人名義にしましょう。
個人名義のままでも社用車として使用できますが、税務調査で指摘されると社用車として認められないことがあります。
すると社用車の費用として計上していた分が税務否認され、多額の税金を支払わなければならない可能性があります。
なお、個人名義を法人名義へ変更する場合は、個人と法人の間で売買契約書を作成しましょう。
書面上で「法人が自分から車を買い取った」と証明することができ、説得力を増す証拠となるからです。
節税効果を高めるには、中古車がおすすめ
特にこだわりがなければ、新車よりも中古車をおすすめします。
なぜなら、新車と中古車では減価償却のスピードに差があり、中古車の方がより短期で費用化することができるからです。
車の耐用年数は普通車が6年、軽自動車は4年と定められています。
そのため、新車の普通車を購入すると、6年かけて経費計上することになるのです。
それに比べ、中古車の場合は「法定耐用年数−経過年数+経過年数×0.2」で耐用年数を計算します。
法定耐用年数をすべて経過した場合は「法定耐用年数の20%に相当する年数」と定められています。
つまり、4年落ち以上の中古車であれば、1年で購入費用の全額を経費で落とすことが可能なのです。
リース契約という選択肢も考える
リース契約をご存じでしょうか?
車を購入するのではなく、月々のリース料金を支払うことで、自社所有している車と同様に使用できる制度です。
この場合、車を所有しているわけではないため、月々のリース料金が全額費用処理することが可能となります。
リース契約のメリットはもう一つあります。
基本的にリース料の中には、税金や車検代・自賠責保険など維持管理費も含まれています。
つまり、細かく経費の内訳を分ける必要はなく、月々の経費を「リース料」と仕訳するだけで済むため、事務作業の簡便化にもつながるのです。
ただしリース契約は一般的に、購入するよりも割高なる、リース契約の中には中途解約の際に違約金が発生する場合がある、契約には審査がなど、デメリットも存在するため、慎重に検討が必要です。
社用車による節税を利用する際の注意点
さて、ここまで社用車による節税効果を説明してきましたが、注意しなければならない点がいくつかあります。
どのような注意点があるのか、順番に見ていきましょう。
なるべく期首に購入をする
社用車を購入した年の減価償却費は、月割計算になります。
つまり、12月決算の場合で、12月に購入しても、1年分の減価償却費のうち1か月分しか、費用処理できないのです。
今年の利益を抑えるために購入したのに、全然費用処理できなかった!なんてこともあり得ますので注意が必要です。
減価償却で多く経費計上したい場合は、なるべく期首に購入するようにしましょう。
プライベート利用との区別を明確にする
これは税務否認されないための注意点です。
社用車をプライベート(私用目的)でも利用する場合は、事業で利用しているときと明確に区別できるようにする必要があります。
100%社用車として使用するのなら問題ありませんが、プライベートでも利用する割合が多い場合は、全額経費にするのが厳しくなります。
その場合は、使用目的と事業目的の割合を何かしらの方法で按分することにより、費用処理する金額を算出しなければなりません。
そんな面倒な、と思うかもしれませんが、税務調査が入ったときに追徴課税となる、もしくは最悪の場合、全額を否認される可能性も出てくるので注意が対策が必要です。
なるほど!事業で使う目的が明確であれば、車種に限らず経費にできちゃうんだね。しかも社用車とすることで、車の購入費以外の維持費用も会社の経費として落とせちゃうなんて、節税効果も抜群だね。
そういうことだニャ。ただ車は中古だとしても大きな出費を伴うから、資金繰りと相談しながら購入を考えるべきだニャ。最近は車の所有形態も様々で、経費にしやすいリース契約はおすすめだニャ!
節税セレクト Vol.1 その設定額が節税のカギとなる!正統派節税の代表格「役員報酬」
お金の支出:無し
節税効果:◎
導入のしやすさ:◎
事業も軌道に乗ってきて、今年は会社の利益もしっかり残せそうなんだ!来年は僕の役員報酬を高めに設定して、ちょっと贅沢な1年を過ごそうかなあ・・・
ちょっと待つニャ!役員報酬の支払い方によっては、個人で支払うべき税金が大きく異なるニャ!家族への役員報酬で、報酬を分散することも一度考えてみてほしいニャ!
最優先で着手すべき正統派節税 「役員報酬」
役員報酬とは、法人だからこそ支給できる報酬形態です。
今まで個人事業主だった方は、法人を設立したからには、家族への役員報酬の支給も含め、節税を検討することをおすすめします。
家族への役員報酬の支給は、税制面でのメリットが非常に多いため、可能であれば早めに導入していきましょう。
家族への役員報酬がなぜ節税につながる?
「家族へ役員報酬を支払うことが、なぜ節税につながるの?」
「役員報酬の総額が同じだったら、一人でもらうのも家族でもらうのも一緒じゃない?」
そんな声が聞こえてきそうなので、まずはその疑問にお答えします。
それはずばり「社長一人当たりの所得税が少なくなる」からです!
ひとりで多額の報酬を受け取るよりも、家族で所得を分散した方が、所得税率は低くなります。
所得税は累進課税制度といって、所得の大きさによって税率が変わります。
簡単に言うと、たくさん儲けている人の方が、設けた金額に対する税金の割合も大きくなるよってことですね。
現時点での所得税法では、所得に応じて5%〜最大で45%の税率が適用されます。(すごい差ですね!)
具体的な例で比較してみよう
いまいちピンとこない人も多いと思うので、具体的な例で説明します。
【前提条件】
・役員報酬の総額=2,000万円
・給与所得控除、基礎控除、社会保険料を考慮(配偶者控除は適用不可、扶養控除は考慮なし)
【パターン①】社長一人で2,000万円を受け取る場合
役員報酬:2,000万円
給与所得控除:△195万円
社会保険料概算:△168万円
基礎控除:△48万円
税金がかかる所得:1,589万円(上記の差引合計)
所得税:(1,589万円×33%)-153.6万円=約370万円
【パターン②】家族へ分散した場合
・社長
役員報酬:1,000万円
給与所得控除:△195万円
社会保険料概算:△129万円
基礎控除:△48円
税金がかかる所得:628万円
所得税:(628万円×20%)-42.75円=約82万円(A)
・配偶者(妻)
役員報酬:600万円
給与所得控除:△164万円
社会保険料概算:△89.8万円
基礎控除:△48万円
税金がかかる所得:298.2万円
所得税:(298.2万円×10%)-9.75万円=約20万円(B)
・長男
役員報酬:400万円
給与所得控除:△124万円
社会保険料概算:△61万円
基礎控除:△48万円
税金がかかる所得:167万円
所得税:167万円×5%=約8万円(C)
所得税の差額:370万円(社長一人の場合)-110万円(A+B+C)=△260万円
社会保険料の差額:+約111万円(会社負担も合わせると約227万円)
以上のように、役員報酬を社長ひとりではなく家族へ配分することで、所得税は260万円もの節税につながります!
めちゃくちゃ大きいですよね。
これが累進課税制度をうまく利用した家族への役員報酬支給の節税方法です。
社会保険料は増えてしまう
ただし、注意すべき点が一つあります。
上記の計算式の結果を見てお気づきの方もいるかもしれませんが、社会保険料の負担は、パターン①の場合より増えてしまっています。
これは役員報酬を支給する頭数が多くなったことが原因です。
ただし、所得税と差し引きしても節税効果が見込めるうえに、社会保険料を多く支払えば、将来的に家族でもらえる年金額が増加しますので、表面的な数字以上のメリットがあります。
ここで覚えておいてほしいのは、家族の誰に(何人に)、いくら支払えば最適な節税になるのかというのは、会社によって、さらには社長自身の家族構成によって千差万別だということです。
家族への役員報酬、いくらで設定する?
さて、家族への役員報酬が節税につながる仕組みが分かったところで「早速家族にも役員報酬を!」と考えた経営者が最初に必ずぶつかるのが
「家族への役員報酬って、いくらまであげれるの?」という疑問でしょう。
「自分が社長なんだし、いくらでもいいんじゃないの?」とお考えの人もいるかもしれませんが、大間違いです!
この役員報酬の設定金額を間違えば、かえって税金を多く払う羽目になることも。
最悪の場合は、税務否認され、重加算税を課せられてしまう可能性も出てきてしまいます。
役員報酬の決め方に明確な基準はない
残念ながら、家族への役員報酬の金額について「配偶者であれば○○円まで」「長男であれば△△円まで」といったような明確な基準はありません。
では税務署はその金額をどのような視点で見ているのか。
それは「役員報酬の金額が対価として相当と認められる金額かどうか」です。
すごく漠然としていますよね。
ですのでここでは税務署が「役員報酬の金額が対価として相当」かどうかを決める2つの基準をご紹介します。
役員報酬の金額の判定基準①「実質基準」
1つ目は「実質基準」です。具体的には以下の通りです。
・職務内容
・勤務実態
・勤務年数
・業務への責任割合
・年齢や会社への貢献度
・会社の業績
・従業員の給与とのバランス
・同業他社との比較 等
これらをもとに判断していきます。
役員報酬の金額の判定基準①「形式基準」
2つ目は形式基準です。こちらは分かりやすいかもしれません。
つまり、定款や株主総会の決議で報酬金額の限度額を決めている場合は、その限度額が上限となります。
実務的な役員報酬の決め方
さて、実質基準と形式基準があるということが分かったとはいえ、「ん~・・・結局いくらにすべきか具体的に分かりにくいよ・・・」という声に応えるべく、実務的な考え方を2つ紹介します。
①家族以外の役員報酬を参考にする
会社に家族以外の役員がいる場合は、その役員と同じ金額水準を目安に考えましょう。
他の役員に比べあまりに乖離した金額の設定は、税務否認の対象になってしまいます。
②過去の税務調査結果や判例を参考にする
役員がすべて親族の場合は①の方法は参考になりませんね。
なので、過去の税務調査等のデータを参考にするとよいです。
なるほど!僕一人で役員報酬をもらうより、家族で分散してもらうほうが、税率も下がるし、将来の年金支給額も増やすことにつながるんだね。
そういうことだニャ。ただ、最適な支給金額のバランスというのは少し専門的な知識が必要ニャ。実際に家族に役員報酬を支給することを考えるなら、税務否認のリスクに対応するためにも、担当の税理士と相談しながらすすめることがおすすめニャ!
節税セレクト Vol.6 不良債権を節税に利用する⁉ピンチをチャンスにする正統派節税「貸倒損失の計上」
お金の支出:無し
節税効果:○
導入のしやすさ:▲
大変だよー!取引先が突然倒産しちゃって、売掛金が回収不能になっちゃった・・・残り100万円もあったのに、この損失は厳しいなあ・・・
それは一大事だニャ!でも絶望するのはまだ早いニャ!こんな時に経営者に求められるのは、この損失をいかに最低限に抑えられるかその対応策を考えることニャ。まずは回収不能になった売掛金を使って、節税につなげる方法を説明するニャ!
目次
あなたの会社に不良債権はありませんか?
あまり考えたくないことですが、事業をしていると、顧客に対する債権、つまり売掛金や貸付金が回収できなくなることもあります。
もちろん、まずはできる限りその回収に尽力する必要がありますが、相手側の払えない理由というのも様々で、あらゆる手を尽くしても回収は不可能な場合もあります。
でもそんな時でも、もうお手上げだと全てを諦めるのはまだ早いです。
もし100万円の債権が全て回収できなくなったとしても、そのうち30%が返ってくる方法があれば、ぜひ利用したいですよね?
さて、それをどうやって実現するのか?
当然ですが、1円も払えないと言っている相手からこれ以上回収するのは不可能です。
そこで今回は、この不良債権を経費として落とすことで節税につなげ、税金を減らすことで全額損失を免れる方法をご説明します。
「貸倒損失」を当期の費用として計上する
不良債権を経費として落とす、つまりこれは既に回収不可能となった債権を経費に振り替えるだけなので、お金が出ていくことなく節税ができます。
つまり今回の例だと、会社の資産として計上されていた100万円の債権を振り替えて、100万円の「貸倒損失」として費用に計上することで節税するのです。
こうすることで、100万円に税率をかけた金額分、当期の税金が安くなるのです。
先ほどは簡易的に30%と言いましたが、税率の高い会社であれば、さらなる節税効果が見込めます。
売掛金や貸付金を「貸倒損失」として費用計上する条件
ただ、回収できなさそうな債権(売掛金や貸付金)を貸倒損失として当期の費用にするにはいくつかの条件があります。
もうこの節税セレクトをいくつかご覧の皆さんはお察しかもしれませんが、合法的な節税と違法な節税(つまり脱税)は紙一重みたいなところがあるため、なんでもかんでも費用計上させまいと、税務署が条件を提示しているのです。
つまり、当期利益が多く出てしまった会社が、まだ回収の見込める差額の債権を不良債権として費用計上して税金を減らそうとすることを防止するt目の条件ですね。
具体的には以下のとおりです。
①会社更生法、民事再生法といった法律の規定に基づいて切り捨てられた金額
②相手先が死亡、失踪、行方不明などの場合
③相手先との取引がなくなって1年以上を経過した場合
これらの条件のいずれかに合致した時点で、費用計上が可能となります。
③については、「取引」の中に「一部返済」も含まれるため、取引から1年以上経過していても、その間に少しでも返済が行われていたら、その時点から1年以上の経過が必要となるのでご注意ください。
ただ、この③については、1年待たずとも経費にする方法もあります。
それは、書面によってこちらから正式に債権を放棄してしまうという方法です。(債務免除)
どうせ返ってこないという債権でしたら、それをゾンビ債権にしてしまうより、手っ取り早く節税に使ってしまった方がいいかもしれません
なるほど!売掛金を貸倒損失として計上することで、その税金分が会社に返ってくるってことだね。こうすれば、100万円まるまる損することを免れるね!こういう時こそ、冷静に被害を最小限に抑える対策が必要だね。
そういうことだニャ。他にも、回収不能分の資金繰りのための資金調達の検討や、別の取引先との関係を悪化させない対策など、経営者として能力が試される時ニャ!ここは踏んばって耐える時ニャ!
やってはいけないNG節税 Vol.2「無計画な決算賞与」
今年は業績が好調で利益が大きくなっちゃったから、気前よく全社員を対象に決算賞与を支給しようと思うんだ!節税もできて、従業員のモチベーションアップにもつながるからおいしいことばっかりだよね。
ちょっと待つニャ!決算賞与は確かに多くの会社で使われる節税方法かもしれないけど、考えなしに支給を決めてしまうと、あとから痛い目を見るニャ。まずは、決算賞与を当期の費用に計上できるか確認が必要ニャ!
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多くの会社で利用される「決算賞与」による節税
あなたの会社では、決算賞与を支給していますか?
今回はこの決算賞与による節税についてお話しします。
タイトルが「NG節税」となっているので、既に導入している経営者の方は「え!決算賞与は節税にならないの⁉」と思われているかもしれません。
ここは勘違いしてほしくないのは、決して「決算賞与」がNGなのではなく、タイトルの通り「無計画な」決算賞与がNGということです!
では、詳しく見ていきましょう。
決算賞与がなぜ節税に?
それではまず、決算賞与が節税になる仕組みをご説明します。
決算賞与は通常、その決算期の成績をもとに、会社の業績によって賞与支給額を決めるものです。
したがって、支払時期は通常、決算が終わった後、つまり翌期に支払われるため、本来翌期に計上するものとなります。
ですので、このままでは当期の節税にはつながりません。
しかし一定の手順を踏むことで、決算時に未払の賞与であっても、これを当期の費用として計上することができるのです。
賞与というだけあって、全従業員に支給すればその金額は決して小さくありません。
その支給金額を全額当期の費用として計上できれば、当期の税金をグッと抑えることが可能となります。
しかもその支給額は当期の(予想)利益をもとに算出するため、非常に合理的な節税方法と言えます。
決算賞与を当期の費用として計上する条件
繰り返しになりますが、決算賞与は決算時に未払いであっても、一定の要件を満たすことで当期の費用として計上できます。
具体的な要件は以下の通りです。
・決算日までに支給額を全従業員に通知
・通知した金額を、決算日翌日から1か月以内に全額支給
・通知した金額を当期の経費として計上(損金経理要件)
以上の要件を満たせれば、翌期に支払われる決算賞与を当期の費用として計上でき、利益を圧縮することができます。
賞与は従業員のモチベーションアップにもつながるので、決算賞与による節税はぜひ導入したいですね。
ちなみに、1つめの「全従業員に通知」する方法ですが、1人1人に通知するのは大変なので、全社員が見る掲示板や、メールの一斉送信などで「月給の○○か月分を支給」と通知する会社がほとんどです。
翌期に年間支給額を調整するのであれば、決算賞与はNGかも
ここからは、決算賞与による節税の中でも、失敗しがちなNG節税の紹介です。
決算を迎え、節税のために気前よくドンと多額の決算賞与支給を行っても、その分期中の支給額を大幅に減らし、年間の支給額が例年と変わらない、というケースが多くみられます。
このケースの何が問題かと言うとかえって従業員のモチベーションを下げる要因になる可能性があるということです。
従業員は会社にとって、今後半永久的に貢献してくれる貴重な財産です。
その従業員に対する会社からの最たる還元方法の賞与を、節税の調整弁として使うことは非常に危険です。
たとえ税金が一時的に抑えられたとしても、従業員から経営者に対する不信感につながってしまえば、それは税金以上の損失につながりかねません。
もし、賞与の額を翌期に調整する想定で決算賞与を考えているのであれば、一度落ち着いて考え直した方がいいかもしれません。
決算期翌月末が土日祝日の時は要注意
先ほど、翌期に支払われる決算賞与を当期の費用とする要件として「通知した金額を、決算日翌日から1か月以内に全額支給」というものを説明しました。
ここで注意が必要なのは、決算期の翌月末、つまり要件の期限となる1か月後が土日祝日だった場合、その支給は翌々月になってしまう場合があります。
この場合、たとえ土日祝日であることが理由だったとしても、要件を満たしていないと判定されてしまうのでご注意ください。
決算期翌月末が土日祝日の場合は前営業日を支給日とするなど、対策をしっかり取りましょう。
役員賞与は原則損金不算入
最後にもう一つ注意してほしいのが、役員に対する決算賞与は、事前に一定の手続きを経た上での支給でない限り、損金算入できないということです。
ただし、対象が使用人兼務役員である場合は、従業員分とみなされるため、決算賞与が損金算入可能となります。
決算賞与を当期の費用として計上するには、満たすべき要件があるんだね。しかも賞与だからと言って無計画に支給してしまうと、むしろ従業員からの不信感にもつながってしまうなんて、思いもよらなかったな・・・
そういうことだニャ。要件を満たしていない決算賞与は節税効果が無くなってしまうことに注意が必要ニャ。決算賞与による節税も、所詮は期ズレによる節税ニャ。期ズレのために会社の将来を台無しにすることだけは避けなきゃならないニャ。