やってはいけないNG節税 Vol.1「経費の無駄遣い」

節税のために、決算直前に経費をたくさん使ってみたんだけど、会社の資金繰りが厳しくなってきちゃったんだよね・・・毎年この時期は会社のお金がない気がするんだけど、本当に節税できてるのか不安になってきたよ・・・

それは節税の罠にまんまと陥ってしまってるんだニャ。本当に決算直前に使った経費は会社に必要な経費だったかニャ?必要な時期の支出だったかニャ?単なる無駄遣いになってないかニャ?「節税」の意味を今一度よく考えてみるニャ!

目次

「節税」と「無駄遣い」、ちゃんと区別できている?

まず、経営者が節税をしようとする際、最初に思いつくのが「経費を増やす」ことで利益を減らす節税です。

ただ、単に経費を増やそうとして、ただの無駄遣いになっていませんか?

これが正に、やってはいけないNG節税の典型例「経費の無駄遣い」です。

節税の名目で、本来必要のない資産の購入や、無駄な飲み会などをしても、それは単にお金が減ってしまうだけです。

「期ズレ」も必ず節税につながるとは限らない

また、いわゆる「期ズレ」によって経費を先取りして行う「節税」は無駄遣いではないと思われるかもしれませんが、必要な時期に支出しなければ無駄遣いになる可能性があります。

さらに、先取りした結果、単に支払う回数が増えてしまったというのはよくある話です。

節税のため、となると皆さん意識が疎かになってしまいますが、経費をどのタイミングで計上するかというのはとても重要で、タイミングを誤ると無駄になる可能性が非常に高いのです。

節税の目的を今一度確認しよう

節税の目的は一体何でしょうか?

それは「会社の資金繰り」をよくすることです。

ただ、上記のような無駄遣いや誤った期ズレ計上を行えば、それは単なる無駄遣いとなり、資金繰りはかえって悪化するでしょう。

結局、税金を払った方が得だったんじゃないかな・・・なんてケースも多くみられます。

バカみたいな話ですが、会社を経営すると必ず皆さん一度経験する失敗談ではないでしょうか。

この経費の無駄遣いは、目先の税金を減らせますが、長い目で見れば何の効果もありません。

「税金を支払う方が無駄遣いだ」という気持ちも、かつて税金で苦労した身として非常に理解できます。

ただ感情的になって、必要のない経費を計上して利益を圧縮しても、今後の会社の将来を見据えた時、メリットよりデメリットの方が大きくなることを認識しておいてください。

無駄遣いするくらいなら、従業員へ還元を

会社のお金を無駄遣いするくらいなら、私はそれを従業員に還元することをお勧めします。

一番わかりやすいのは、給料や賞与の増加ですね。

役員報酬を増加させても、原則損金に認められないため、従業員への還元が一番の節税対策です。

それにより従業員のモチベーションや会社への貢献意欲がアップすれば一石二鳥です。

でも、一度給与や賞与を上げてしまうと、その後下げられなくなるんじゃないかという不安もあるかと思います。

そこで、私の一番のおすすめは「福利厚生の充実」です。

手っ取り早いのが、従業員への定期的な差し入れなどですが、少しハードルを上げて、家賃補助や、法人で利用できる福利厚生プランへの加入などを考えてもいいでしょう。

私がおすすめの理由は、これは今の従業員のモチベーションアップだけでなく、将来の従業員、つまりリクルート活動における大きなアピールポイントになる点です。

ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。

う・・・確かに。僕がやっていたのは節税ではなく、ただの経費の無駄遣いだった気がする・・・だから資金繰りもうまくいかなくなってるんだね。これからは、それらのお金を従業員へ還元できないか考えてみるよ。

そういうことだニャ。じつは「節税」と「無駄遣い」は紙一重なんだニャ!そして残念ながら、会社が大きくなるには税金を払うことが必要なんだニャ。会社の将来をちゃんと考えて、ベストなお金の使い方を考えるのが、良い経営者の仕事なんだニャ。